和泉市きまぐれWatch

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和泉中央移転「3分の2超の賛成で」という市の判断に、問題提起

11月22日(日)に行われる『和泉市庁舎整備に関する住民投票』について、和泉中央移転は「3分の2超の賛成で」という市の判断に、問題提起してみる、という話。結論は、『「3分の2超」という基準を住民投票に当てはめるには無理があるのでは?』です。


『和泉市庁舎整備に関する住民投票』の結果について市は、和泉中央移転については賛成が「有効投票数の3分の2を超えること」を庁舎移転の判断基準としました。なぜ過半数ではなく、3分の2超なのか? 市が提示している理由は以下の通りです:

  • 『和泉中央住宅展示場跡地へ移転する場合は、住民投票の結果とは別に、「和泉市役所の位置を定める条例」の改正が必要』である。
  • 条例の改正には、『市議会(議長を含む出席議員)の3分の2以上の賛成による議決を経ることが、地方自治法に規定』されている。
  • よって『市としては、「和泉中央住宅展示場跡地への新築移転に賛成」が有効投票数の3分の2を超えることを庁舎移転の判断基準といたします』とのこと。

和泉市庁舎整備に関する住民投票及び市民説明会を実施します/和泉市ホームページ


この「3分の2以上の賛成」という地方自治法の規定について、市の説明では「これは、庁舎の位置は、住民の利害に関する点が特に大きいので、その変更には、より慎重であるべきという趣旨から設けられたものです」とあります。

しかし、この3分の2という基準は「重要な問題であるから、3分の2以上の賛成が必要」ということではなく、実際は「議員は市民の代表者であるから、重要な問題の決定には、3分の2以上の賛成が必要」ということなのでは?

つまり「市民の代表」である議員による決定=「間接投票」ゆえに、3分の2以上という、より厳しい基準を設けているのでは? ということです。

一方、住民投票は市民による「直接投票」のため、その基準は「過半数」以外にありえません。でなければ、重要な問題が「少数派の意志により決定する」という不合理が生じることとなるから、です。

よって、この「3分の2超」という基準を住民投票に当てはめるには無理があるのでは? と個人的には感じます。


以下、もう少し詳しく説明します:

本来、政策の最終決定者は「市民」です。しかし市民全員が各政策を議論し決定することは、現実的には不可能。そこで選挙によって選ばれた議員が「市民の代表者」として、議会で最終決定しているわけです。簡単にいうと「間接投票」といえます。

通常、議会での議決は「過半数」により決まります。しかし重要な政策の決定について、過半数よりも厳しい「3分の2以上」が基準とされています。この理由は、政策の重要性そのものより、議員が「市民の代表者」であるから、ではないでしょうか?

例えば和泉市の場合、有権者数は約14万6千人(9月2日現在。20歳以上)なのに対し、議員定数は24名です。この24名の議員に、必ずしも全市民の意志は反映されていません。例えば、落選した候補者に投票した市民の意志は反映されません。また、当選議員の意志が全てにおいて、支持者の意志と同じとは限りません。

このため、議会における重要な政策の決定には過半数ではなく「3分の2以上」という、より厳しい基準が設定されている、と考えます。例えば憲法改正の手続で、発議には「各議院の総議員の三分の二以上の賛成で」とあるのも、同じ理由(「国民の代表者」である議員が間接的に決めるため)ではないでしょうか?

つまり、3分の2以上という基準は「間接投票」ゆえのもの、というわけです。


一方、住民投票は全市民(和泉市の場合、約14万6千人の有権者)による「直接投票」です。直接投票である以上、基準は「過半数」以外ありません。でなければ、「全市民における多数派よりも少数派の意志により決定する」という不合理が生じてしまいます。

よって重要な政策であっても、直接投票による場合は「過半数」が基準が当然です。例えば憲法改正の手続で「国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする」いいかえると「過半数の賛成で決定する」とあるのも、同じ理由(国民が直接、決めるため)ではないでしょうか?

つまり、直接投票では「過半数」が当然の基準である、というわけです。


今回、市では地方自治法における庁舎移転の議会手続を根拠として「3分の2」という基準を住民投票に当てはめました。しかし、その基準は市民の代表者である議員による「間接投票」ゆえのもの。このため、市民による「直接投票」である住民投票の基準とするには無理がある、すなわち「正当な根拠となり得ない」のではないでしょうか?

……と、個人的には考えた次第です。


このあたりの話は、住民投票日が近づいてきたら、テレビ番組、例えば毎日放送「ちちんぷいぷい」で石田英司さんに取り上げられて、いろいろ突っ込まれたりする……気がします。


ふと思ったのですが、いっそのこと「3分の2超」基準を支持するかどうかの住民投票も同時に行えばよいのではないでしょうか? 賛成票が過半数あれば、正当な根拠にすることができると思います。


※ちなみに、住民投票の予算は「総額2,238万8千円」とのことです(当日の職員の人件費や投票用紙の印刷費など。10月7日付・産経新聞朝刊より)